携帯電話番号を教えたくない場合に「もう一つ電話番号があったらなぁ」と思うことはありませんか?
プライベートの番号を教えたくない例として
- ネット通販
- 職場(上司・同僚)
- 社用携帯が無いけど時々外出先で必要になる(取引先)
- 学校・職場・自治会などの緊急連絡網
という状況もありますし、突然「電話番号を教えてよ」と親しくない男性に言われたら、まず警戒しますよね。
(過去にそれで色々あって携帯番号を変える羽目に陥りました)
そんな時に便利なのが、スマホで使える050電話(IP電話)。
携帯の音声通話ではなく、メールやWebと同じデータ通信を使います。
Skype電話のような感じです。
そこに050から始まる電話番号が付与されるので、スマホを使いながら2つ目の電話番号を持つことができます。
しかも料金も安いので、通話料を安くしたい人にも嬉しいサービスです。
今回、数多くあるスマホ050電話(IP電話)サービスの中で『050Free』を契約してみましたので、そのレビューをします。
050Free(ブラステル)とは
ブラステルは1996年に設立され、日本国内のブラジル人コミュニティ向けコールバックサービス業務から始まりました。
現在は、格安国際通話として200以上の国と地域への通話を可能にし、15以上の言語によるカスタマーサービスがあります。
音声IP通話サービスも行い、国内外への通話を格安で提供しています。
- 国際電話サービス
- プリペイド式「ブラステルカード」
- IP電話サービス
- 050Free(スマホIP通話)
- FLIP(固定IP電話)
050Freeは、海外向けのスマホIP電話ですので、本来は国際電話・海外旅行・海外SIMの利用などを想定したサービスです。
しかし通話料が格安のため、国内通話でも十分にメリットがあります。
- 「050Free」を日本国内で使うメリット
- スマホで050番号を使える(2つ目の番号として使える)
- 050番号の通話料が安い
- 携帯電話の通話料も安くなる(プレフィックス方式=スマホ版マイライン)
料金体系
携帯電話(3大キャリア)との比較
IP電話(050番号から)の発信の安さは文句なしです。
3大キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)から従量課金で発信した場合と比較して、最大で10分の1以下になります。
プレフィックス方式の場合でも、半額になります。
サービス名 | 月額 基本料 |
通話料 ・有料050へ ・固定電話へ ・携帯電話へ |
通話料(1分あたり) ・有料050へ ・固定電話へ ・携帯電話へ |
---|---|---|---|
3大キャリア (docomo, au, SB 共通) |
20円/30秒 20円/30秒 20円/30秒 |
40円 40円 40円 |
|
050Free(IP電話) ※050番号で発信する |
0円 | 8.64円/3分 8.64円/3分 14.58円/1分 |
2.88円 2.88円 14.58円 |
050Free(プレフィックス方式) ※090, 080番号で発信する |
0円 | 2円/6秒 2円/6秒 2円/6秒 |
20円 20円 20円 |
電話をかける相手の番号の前に、特定の数字を付けることによって、別の回線業者の回線に切り替える。
安価な電話回線を使うことによって、通話代を安くすることができる。
IP電話と、プレフィックス方式の違い
- IP電話
- インターネット回線を使用
- 電話番号はIP電話専用のもの(050番号)
- 緊急番号(3桁:警察消防など)にはつながらない
- 通話品質は、ネット回線の状況次第
- とにかく安い!
- プレフィックス方式
- 電話回線を使用
- 電話番号は元のまま(変わらない)(090・080・070で発信)
- 通話品質も元のまま(変わらない)
- IP電話よりコスト高(半額になるけど、IP電話よりは高い)
他社プレフィックス通話サービスとの比較
通話料金に差はありません(課金の秒数が異なるくらいです)。
支払い方法は、G-Callがクレジットカードのみ。楽天でんわはデビットカードも可能ですが、対象が「楽天銀行」「スルガ銀行」発行のデビットカードに限られます。
050Freeは、クレジットカード・デビットカードに加え、PayPalとコンビニ払いにも対応しているため利便性が高いです。
サービス名 | 月額 基本料 |
通話料 ・有料050へ ・固定電話へ ・携帯電話へ |
通話料 ・有料050へ ・固定電話へ ・携帯電話へ (1分あたり) |
支払い方法 |
---|---|---|---|---|
050Free | 0円 | 2円/6秒 2円/6秒 2円/6秒 |
20円 20円 20円 |
クレカ デビットカード PayPal コンビニ(プリペイド) |
楽天でんわ | 0円 | 10円/30秒 10円/30秒 10円/30秒 |
20円 20円 20円 |
クレカ 楽天銀行 デビット スルガ銀行 デビット |
G-Call | 0円 | 10円/30秒 10円/30秒 10円/30秒 |
20円 20円 20円 |
クレカ |
他社IP電話サービスとの比較
IP電話とプレフィックス通話を同時に提供しているのは、050Freeのみです(※2017/12現在)。
(G-Call・G-Call050 は同一事業者ですが、別々のサービスとなっています)
050Freeの唯一のマイナスポイントは、留守電がない事ですね。
留守電がなくても問題ない方は、050Freeが一番お得で使い勝手が良いと思います。
サービス名 | 月額 基本料 |
通話料 ・有料050へ ・固定電話へ ・携帯電話へ |
通話料 ・有料050へ ・固定電話へ ・携帯電話へ (1分あたり) |
支払い方法 | 付帯 サービス |
---|---|---|---|---|---|
050Free | 0円 | 8.64円/3分 8.64円/3分 14.58円/1分 |
2.88円 2.88円 14.58円 |
クレカ デビットカード PayPal コンビニ(プリペイド) |
転送 |
050 plus | 300円 | 8円/3分 8円/3分 16円/1分 |
2.67円 2.67円 16円 |
クレカ OCN料金と合算 |
留守電 転送 |
G-Call 050 | 280円 | 8円/3分 8円/3分 16円/1分 |
2.67円 2.67円 16円 |
クレカ | 留守電 |
050 Call | 0円 300円 (※1) |
8円/3分 8円/3分 15円/1分 |
2.67円 2.67円 15円 |
クレカ コンビニ(プリペイド) |
|
LaLa Call | 100円 | 8円/3分 8円/3分 8円/30秒 |
2.67円 2.67円 16円 |
クレカ | 留守電 転送 |
FUSION IP-Phone SMART |
0円 | 8円/30秒 8円/30秒 8円/30秒 |
16円 16円 16円 |
クレカ 楽天銀行 デビット スルガ銀行 デビット |
留守電 転送 |
※1:
月の通話料金が315円(税込)を下回る場合、315円の請求となる(毎月315円は必ずかかる)
支払い方法
050Freeでは、いったん「ブラステルカード」にチャージ(入金)をして、そこから通話料金の精算処理を行います。
入金方法は、現金・クレジットカード・プリペイドカード・デビットカード・PayPalから選択できます。
ブラステルのサービスは在日外国人向けを基本としているため、クレジットカードを持たない場合でも問題ないように配慮されているのです。
- ブラステルカードの種類
- ブラステルカード記名式(Webで申込んで、郵送で届く)
- ブラステルカード無記名(コンビニエンスストアで入手)
- オンラインカード(カードの実物無し)
ブラステルカード(コンビニチャージ)
コンビニで現金チャージする場合は、「記名式カード」「無記名カード」のどちらかが必要です。
コンビニの情報端末(Famiポート・Loppi・スマートピット等)から入金すると、約5分で反映されます。
入金額は、2,000円・3,000円・5,000円・10,000円から選べます。
オンラインカード(クレジットカード・PayPalなど)
ブラステル オンラインカードの場合は、クレジットカード・プリペイドカード・デビットカード・PayPalから入金(チャージ)します。
最低金額500円から入金(チャージ)可能です。
PayPalは海外ではスタンダードな決済方法ですし、クレジットカード以外の決裁手段があるのは便利です。
今回は試しに「au WALLET プリペイドカード(Master)」から、ブラステル オンラインカードへ入金しました。
他社はプリペイドVISA/Master・デビットVISA等のカードが使えませんが、050Free(ブラステル)では全く問題ありません。
オートチャージ設定
クレジットカード決裁の場合のみ、オートチャージ設定できます。
最小金額として「残額200円になったら、500円チャージ」という設定が可能です。これならば、ブラステルカードの残額を気にせずに利用できますね。
使い方
初期設定
例として、オンラインカードを利用した初期設定方法を説明します。
- 初期設定に必要なもの
- 050Freeアプリ
- SMS(初回のみ、認証用)
- メールアドレス
初期設定の流れは、次のとおりです。
- App Store/Google play より【050 Free アプリ】をスマホにインストールする
- 画面左下の「かんたん設定 / 新規登録」をタップする
- 電話番号を入力する → SMSで認証コードが送られてくる
- 認証コードを入力する
- メールアドレスを入力する
- メールが2通届く(IP電話番号の案内、アカウント情報)
- アプリに「ユーザーID」「パスワード」を入力
上記7番までで「受信」が可能になります。
受信・発信が正しくできるか、テスト用の電話番号があります。
発信テスト番号:050-6868-0000
自分の声を一旦録音して、それが聞こえるか試すことができますので、利用してみてください(ネットワーク環境などで着信できないケースもありますので、入金前にテストは必須です)。
- アプリのMy Accountで「PIN番号」を入力
利用料金をチャージするには、8番の手順が必要となります。
以前は受信のみの利用が可能でしたが、2017年7月10日以降は「入金」または「有料通話」が無い状態が1年間続くと、解約扱いとなります。
050番号、アカウント、残高、全てが消えますのでご注意ください。
電話を受ける
アプリが起動していない状態でも、プッシュ通知が有効ならば電話を受けることができます。
電話をかける(050番号のIP電話)
アプリを起動し、緑の「050ボタン」で発信できます。
- 発信方法
- キーパッドで電話番号を入力 → 緑の「050ボタン」を押すと発信
- コンタクト(電話帳)から電話番号を選ぶ(※1)
※1:
電話番号をタップすると「050発信」となります。
詳細設定 → 環境設定 → コントロール → GSMボタンを表示、をOFFにすると、緑ボタンのみになります。
プレフィックス通話を使わない場合は、この設定がお薦めです。
電話をかける(プレフィックス通話)
アプリを起動し、黄色の「mobile 0091」で発信できます。
- 発信方法
- キーパッドで電話番号を入力 → 黄色の「mobile 0091」を押すと発信
- コンタクト(電話帳)から電話番号を長押しする(※2)
※2:
プレフィックス通話の場合は、必ず長押しする必要があります。
コールスルー(iPhone)/経由通話(Android)を選ぶことにより、携帯電話の番号を使って、格安回線経由での通話が可能になります。
小技ネタ
電話をかける時に、音声ガイダンスで「現在○○分の通話が可能です」と流れます。
結構ゆっくりなので、急いでいる時はイラッとしてしまいます。
これは「**(アスタリスク2回)」を押せばスキップできますので、必要に応じて使ってみてください。
便利なアプリ連携(iPhone)
iOS10から電話機能が拡張され、標準の「電話」アプリでIP電話の発着信を管理できるようになりました。
通常の電話発着信 + IP電話の発着信 + プレフィックス0091発信、が1ヶ所にまとめられるので、履歴の管理をしやすくなります。
初期状態
iOS標準の「連絡先」アプリです。
赤い四角で囲った人に、IP電話をかけてみます。
連絡先の該当者を選ぶ
一覧から対象者を強く押し込む(3D Touch対応機種)と、ポップアップ表示に切り替わります。
「電話」→「050 Free」→「対象の電話番号」の順に選びます。
(以前使ったことがある人の場合、「電話」の次に「050 Freeで利用した電話番号」が出てきますので、そこから発信可能です)
自動でIP電話アプリが起動する
自動でIP電話アプリが起動し、そのまま通話が始まります。
利用後は「050 Free」アイコンに変更します
IP電話を利用した人は、「連絡先」アプリの表示もこのように変化します。
ただし、この詳細ページから直接IP電話にかける事はできません(厳密には可能ですが、かけたい番号を選べません)。
そのため、2回目以降も「連絡先一覧」から名前を 3D Touchで押し込んで選択するのが確実です。
通話品質
IP電話は、ネットワーク回線容量に品質が左右されるため、ひとえに良いも悪いも言えませんが、以前使っていた「050 Plus」と比べたら圧倒的に綺麗にちゃんと聞こえます。
1秒近い遅延もないし、相手から「自分の話し声がエコーで戻ってきて、頭が混乱する」と文句を言われることも無いです。
格安SIMの低速回線を使っている場合は、利用前のテストは重要です。
この記事の内容は「参考程度」にしておいて、必ずご自身の環境でテストをお願いします。
私は以下のように使う予定です。
- 仕事関係の電話はプレフィックス通話を使う(通話品質を優先)
- 外出先ではプレフィックス通話を使う(移動中に途中で切れるのを避けるため)
- 自宅・職場ではWiFi回線でIP電話を使う(UQ mobileのポケットWiFi契約中)
外で長電話もしないでしょうから、こんな使い分けで十分だと思います。
まとめ
「IP電話」「プレフィックス通話」の両方を利用できる、ブラステル「050Free」は、上手く使い分ければ本当に便利です。
この記事を書くためにネットで色々調べていたのですが、思ったよりも「050Free」の知名度が無い気がしました。こんなに便利なのに。
ブラステルが国際電話の業者と思われているのか、「Basix」というサービスがあるので企業向けと思われているのか、何なのでしょうね?
タイトルに「IP電話 徹底比較」「通話アプリ徹底比較」など書いてある記事も多くありましたが、050Freeが掲載されていないので「徹底されてないよね?」と思いました。
スマホIP電話に興味を持ったのは「2つ目の番号が欲しい」という動機だったのですが、「IP電話+プレフィックス通話」の組み合わせができる「050Free」は安さと通話品質を状況に応じて使い分けることができるので最善の選択肢だと思います。